【保存版】生活保護受給が開始された利用者がいる場合に、生活相談員が行うべきことまとめ

請求業務・家族対応・行政連携までの実務チェックリスト

介護施設において、利用者が途中から生活保護(生保)を受給することになった場合、生活相談員には多くの実務対応が求められます。
本記事では、実際の現場で起こった事例も踏まえつつ、対応すべき業務を整理し、注意点をチェックリスト形式で解説します。


1. 生活保護開始の連絡を受けたら、まずやるべきこと ✅

  • 利用者 or 家族からの「生活保護決定通知」または福祉局からの文書の到着確認
  • 生活保護の開始日を明確に確認(例:〇月〇日より開始)
  • 扶助の種類を確認(介護扶助・医療扶助・住宅扶助など)
  • 誰が保護費を受け取るか(本人 or 家族)

ポイント: 受け取りが「家族」の場合は、後述のような手続きの遅れや誤解が発生しやすいため注意が必要です。


2. 行政(福祉事務所・ケースワーカー)との連携事項 ☎️

  • 担当ケースワーカーの氏名・連絡先の確認
  • 介護券の送付予定日と送付先の確認
  • 請求方法の確認
    • 代理受領かどうか
    • 請求書様式(自治体ごとに異なる場合あり)
  • 必要書類の提出依頼がないか確認
    • ケアプラン(写し)
    • 給付管理票(利用票・提供票など)

実例では、「ケアマネが既に手渡していたが、福祉局で未確認となっていた」ケースがあるため、提出状況の“再確認”が重要です。


3. 介護券が届かない場合の対応📬

  • 届かない場合は即座に福祉局へ連絡
  • ケアプラン・利用票の提出が条件となっている場合がある
  • 届かないまま請求締切を過ぎた場合は、
    • 今月分は「未請求」として処理
    • 翌月に「前月分含む」として再請求する旨をケースワーカーに報告

4. 医療券に関する対応(併設クリニック・薬局など)💊

  • 医療扶助が適用されているか確認
  • 医療券の送付先・送付状況を確認
  • 提携医療機関や薬局に、医療券の未着に関する状況を事前に伝える
  • 医療券が届かない間の受診・薬の取り扱いについて、施設内で方針を統一

5. 家族への対応ポイント(特に「家族受け取り」の場合)👪

  • 家族が「介護費用はもう支払わなくてよい」と誤認するケースがあるため、丁寧に説明
    • 例:生活保護開始前(例:4/1〜4/5)の自己負担分は請求対象であることを明確に伝える
  • 「医療券・介護券が届かないと医療・介護サービスに支障が出る」ことを理解してもらう
  • ケースワーカーと家族の間で情報が錯綜しないよう、連絡体制の明確化

6. 請求処理の実務フロー(生活保護開始時)🧾

  1. 利用者の給付開始日・負担区分を確認
  2. 福祉局に請求方法を確認(毎月請求 or 一括)
  3. 必要書類の提出(利用票・ケアプラン等)
  4. 介護券・医療券の到着確認後、請求処理開始
  5. 自己負担分がある場合は、利用者 or 家族へ請求書送付

まとめ:生保受給者対応は「早めの確認と連携」が命

生活保護を受ける利用者がいる場合、施設側・相談員側が後手に回ると、請求できない・家族対応が混乱するなどのリスクが高まります。

今回のように、

  • 「介護券が届かない」
  • 「書類が提出済みか不明」
  • 「医療券が薬局に届かない」

といった**“実務の抜け・遅れ”**が、利用者の生活にも直接影響を与えかねません。

だからこそ、
▼ 行政とのこまめな連絡
▼ 書類の提出・確認の記録管理
▼ 家族との情報共有

この3つを徹底することが、安心と信頼につながります。